鬼武者 Way of the Sword |20年ぶり新作の期待と評価・注目点

鬼武者 Way of the Sword |20年ぶり新作の期待と評価・注目点

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おのり
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2026年発売予定の『鬼武者 Way of the Sword』を徹底考察。「死にゲーにしない」という開発者の宣言から見えるGhost of Tsushima的な立ち位置、進化した「一閃」の爽快感、ファンの期待と不安まで。20年ぶりの復活作がなぜ今、和風アクションファン必注目なのか解説します。

「鬼武者 Way of the Sword」20年ぶり新作——なぜ2026年に復活するのか

2024年12月のThe Game Awards。会場に流れた映像を見て、正直「え、マジで?」ってなった。

『鬼武者 Way of the Sword』。あの鬼武者が帰ってくる。PS2時代から累計900万本以上を売り上げた、日本のアクションゲームの歴史に名を刻んだシリーズが。前作の『新 鬼武者 DAWN OF DREAMS』から約20年ぶりの新作だ。当時Xには「うそだろ」「マジか」という声があふれていたけど、気持ちはわかる。

なんで20年も空いたのか。プロデューサーの門脇章人氏がこう語っている。

「社内の要望はずっとあった。でも、プロジェクトに必要なメンバーをなかなか集められなかった。カプコンはビッグタイトルを多く抱えていて、開発に必要なスタッフの規模も年々大きくなっている」

正直な話だと思う。転機は2020年頃。ようやくチームが揃って、カプコンの次世代エンジン「RE ENGINE」の成熟も重なった。さらにGhost of Tsushimaや仁王、SEKIROといった和風アクションが世界中でバカ売れしているという現実も、背中を押したはずだ。

「現代に斬りこむタイミングが必要だった」という言葉、なんか刺さる。20年間ずっと時代を読みながら待ってたってことだよね。

薄暗い和室に横たわる古刀——20年の沈黙を経て蘇る鬼武者

そもそも『鬼武者 Way of the Sword』ってどんなゲーム?

まず基本をおさえておく。

舞台は江戸時代初期の京都。でも史実の京都じゃなくて、「瘴気」って謎の力で異界化したダークファンタジーの京都。街には幻魔(ゲンマ)と呼ばれる異形の怪物が跋扈してて、普通に怖い世界観だ。

主人公は剣豪・宮本武蔵。シリーズのシンボル「鬼の篭手(おにのこて)」を手にして戦う。この篭手、倒した幻魔の魂を吸収することで体力を回復したり強力な技を出したりできるんだけど、鬼の力を使えば使うほど武蔵の内側で人間と鬼がせめぎ合い始める。そのせめぎ合いが物語の核心になってる感じ。

宿敵は佐々木巌流。史実でも巌流島で武蔵と対峙した剣士だけど、このゲームでは武蔵と同じく鬼の篭手を持つ、人間を超えた存在として描かれる。ただの強敵じゃなくて、「武蔵のもうひとつの可能性」みたいなキャラクターになってるのが面白そうで。

ゲームとしては一本道の剣戟アクション。ボリュームは約20時間。過去作とのつながりはなく、このゲームだけで完結する独立した物語になってる。

宮本武蔵×三船敏郎——この顔に「そうだよね」ってなった

主人公・宮本武蔵のフェイスモデルが「世界のミフネ」こと三船敏郎氏(故人)なんだけど、トレーラー見た瞬間に「あ、この顔しかないわ」って思ってしまった。

鬼武者シリーズって、毎回そのキャスティングが話題になる。初代が金城武、2作目が松田優作、3作目がジャン・レノ。どれも「その役にしか見えない」という説得力があった。今作の三船敏郎も、黒澤明映画で培われたあの圧倒的な存在感が宮本武蔵にドンピシャで重なる。開発者が「絶対条件だった」と断言するのも納得だ。

宮本武蔵のフェイスモデル三船敏郎——圧倒的な存在感

面白いのは、Netflixアニメ版『鬼武者』(2023年配信)も三船敏郎モデルの武蔵が主人公なこと。カプコンが「鬼武者=宮本武蔵=三船敏郎」という等式を、ゲームもアニメも横断するブランドイメージとして固めようとしてるのが見える。

武蔵の声は細谷佳正さん。宿敵・巌流は岡本信彦さんが演じる。TGS2025の試遊体験者から「巌流の色気がたまらない」って声が続出してたんだけど、かかと落としとか剣士らしくない動きをする巌流、ちょっと見てみたくなる。

「死にゲーにしない」——この宣言だけで興味がわいた

このゲームのジャンルを聞いて最初に浮かんだのが、仁王とSEKIROだった。

ダークファンタジー×和風×剣戟アクションっていったら、まあそっちがちらつくよね。仁王もSEKIROも傑作には違いないけど、「難しすぎて積んだ」という声が絶えないジャンルでもある。「死にゲー」という言葉に身構える人、けっこういると思う。

だから開発チームのこの方針を聞いたとき、ちょっとびっくりした。

「アクションゲームとして最もこだわっているのは、『死にゲーにしない』ということ。ストーリーを追うだけになってしまうと、アクションゲームの面白さが伝わらない。でも繰り返し死ぬことを強いるゲームにもしたくない」(プロデューサー・門脇氏)

イージーモードは「活劇」という名前で、それでも歯ごたえは残す設計とのこと。

これ聞いてすぐにGhost of Tsushimaを思い出した。あのゲームも「ソウルライクじゃないけど手応えはある」という絶妙なラインで、めちゃくちゃ幅広い層を取り込んだじゃないですか。鬼武者 Way of the Swordが目指してるのも、たぶんそこだと思う。

「死にゲーはちょっと……」と腰が重かった人にとって、むしろ本作がソウルライク系への最初の一歩になり得る気がしてる。

受け流し(パリィ)の瞬間——緊張感と爽快感が共存する戦闘

Ghost of Tsushima的なゲームシステム——「戦略で戦う」が面白そう

システムを見ていくと、「Ghost of Tsushima的」という印象がさらに強くなる。

まず目を引くのが環境を使った戦闘。受け流し(パリィ)で敵の態勢を崩したあと、そのままかがり火に叩きつけたり、畳を剥がして蹴飛ばしたり、建物の柱に激突させたりできる。戦場そのものが武器になる設計で、「この場所でどう戦うか」を考えさせる作り。これ、動画で見るとけっこうカッコいい。

畳を使った環境戦闘——戦場そのものが武器になる

もうひとつ特徴的なのがガードの回数制限。防御ボタン押しっぱなしで乗り切る、みたいな戦い方は通用しない。「受け流す」「弾く」「環境ギミックで回避する」を状況に応じて使い分ける必要があって、反射神経より戦況を読む力が問われる設計になってる。

戦闘システムをざっくりまとめると——

・受け流し(パリィ)→ 崩れた敵を環境ギミックへぶつける

・弾き → 飛び道具を跳ね返す。近接攻撃にも対応

・気焔状態 → 受け流しを連続成功すると刀が炎をまとい、二刀流の乱舞技が解放

・崩し一閃 → 敵の「力動ゲージ」を削り切ると発動。頭・腹など部位を選んで破壊

・連鎖一閃 → 一閃成功後に追加入力で、複数の敵を連続瞬殺

・魂吸収 → 倒した敵から青魂(スキル)・黄魂(回復)・赤魂(経験値)を獲得

先行試遊をしたメディアに「特別難解な要素はなく、手軽さと爽快感が両立。時代劇的な殺陣の満足感」って書かれてたんだけど、ここがポイントだと思う。難しいけど難解じゃない、っていうバランスをちゃんと狙ってる。

「一閃」が進化してる——バッサリ感、ちょっと見てほしい

鬼武者 Way of the Swordが繰り返し使うキーワードが「バッサリ感」。

今作ではPS5の処理能力を生かして、刀の軌道に沿って敵が切れるという表現が実現してる。斜め下に振り抜けばその角度で切れるし、横に払えば横に切れる。20年前のPS2では無理だった技術で、これが動画で見るとほんとにカッコいい。鍔迫り合いの火花も丁寧に作られてて、ディレクター二瓶氏が「説得力を絶対に持たせたかった」と言ってたのがよくわかる仕上がりになってる。

そしてシリーズの代名詞「一閃」。敵の攻撃直前に攻撃ボタンを押すことで発動する、リスクリターン高めの技。成功すれば爽快感が半端ないらしいんだけど、先行試遊したメディアのあいだで「幻の一閃」と言われるくらい発動が難しかったみたいで。それが逆に、決まったときの気持ちよさを際立たせてる感じ。

ここでちょっと、開発者の話をしたい。ディレクターの二瓶賢氏って、高校時代に初代鬼武者をふつうのプレイヤーとして遊んでた人なんだよね。旧作ディレクターとの25周年対談でこう言ってた。

「一閃の気持ちよさはいまでも脳裏に焼き付いている」

かつてコントローラー握って感動した人が、今度は作る側に立ってる。それだけで、なんか信頼できる気がする。

ファンの本音——「不安5・期待4・諦め1」ってリアルすぎる

20年ぶりの復活に、オールドファンの反応はめちゃくちゃ複雑だ。

あるファンがnoteに書いてた言葉が妙に刺さった。

「不安5、楽しみ4、そして諦め1のブレンド」

この「諦め1」が面白い。諦めてるってことは、どこかでめちゃくちゃ期待してるってことじゃないか。20年待ち続けたからこそ生まれる、「裏切られたくないからあまり期待しすぎないようにしてる」みたいな防衛本能が、この絶妙な比率に詰まってると思う。

ほかにもこんな声があった。「鬼武者が寝てるあいだに、SEKIROも仁王もGhost of Tsushimaも出てしまった。今さら追いつけるか」「パリィ系のゲームはもう飽和してる。個性が薄れないか」「ダクソ系にはなってほしくない。一閃をやりたいんだから」

一方でgamescom 2025の試遊会場には、整理券なしで何時間も待つファンが殺到してたらしい。プレイした人たちからは「SEKIROやTsushima水準の剣戟アクション」って声も上がってる。やっぱり引っ張られてるんだよね、みんな。

個人的にいちばん好きなエピソードが、開発80%の段階でプロデューサー自身が「爽快感が足りない」と公言して改善を続けてるって話。黙って出すより、まだ足りないと言いながら磨き続けるほうが絶対に誠実だし、そういうカプコンには信頼を感じる。

シリーズを知らなくても全然OK——むしろ今がデビューのチャンス

「過去作を知らないと楽しめないかな」って思ってる人がいたら、大丈夫です。全然問題ない。むしろ今が一番入りやすいタイミングだと思う。

開発チームは最初から、スタンドアローン設計を宣言してる。理由がまたリアルで、プロデューサー門脇氏がこう言ってた。

「1と2と3で世界観がちょっとずつ変わっていて、整合性をとりながら新作にしようとすると、どうしても狭い作りになってしまう。過去作のプレイヤーも新しい人も、同じ入口から楽しんでほしかった」

歴代キャラはほぼ出てこない。宮本武蔵を主人公にしたのも、もともとは「名も無い武将」という設定だったのをグローバルで通じる固有名詞に変えた、という経緯があったくらい新規向けに作られてる。

Netflixアニメ(2023年)も武蔵が主人公で設定が似てるから「どう繋がるの?」って気になるかもしれないけど、公式も同一世界線かどうかは言明してない。深く考えなくていい。ゲームはゲームの中で完結する、でいいと思う。

鬼武者シリーズを知らなくても、「異界化した江戸の京都」「謎の篭手と幻魔との戦い」「武蔵の内側で揺れる人間と鬼のせめぎ合い」——このアイデアだけで十分に世界に引き込まれる。初めて触れる人こそ、まっさらな状態でこの世界観を楽しめる。

まとめ——和風アクションの新しい答えになれるか

Ghost of Tsushimaって、「ソウルライク一強」の時代に別の答えを出したゲームだと思ってる。難しすぎない。でも手応えはある。世界観に没入できる。そのバランスで世界中のゲーマーを虜にした。

鬼武者 Way of the Swordが目指してるのも、おそらくその先にある場所だ。

「バッサリ感」という爽快な斬撃、環境を活かした戦略的な戦い、宮本武蔵×三船敏郎が生み出すビジュアルの説得力——アクションの爽快感をちゃんと残しながら、ストーリーと世界観で勝負するっていう姿勢。900万本以上を売り上げた鬼武者というIPが、20年ぶりに現代の技術で蘇る。これは単なる懐かしいゲームの続編じゃなくて、和風アクションの新しいスタンダードを打ち立てる試みになり得ると思ってる。

発売はまだ2026年内のどこか。日程は未発表のまま、カプコンは今日も磨き続けてる。

「爽快感が足りない」と言い続けながら。その言葉が、なんか好きだ。

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